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虫歯になった歯を補強する新たな構造を作る【 LD教育推進学分野 吉居 慎二 准教授 】


12yoshii2.jpg虫歯になった歯を補強する新たな構造を作る
LD教育推進学分野
吉居 慎二 准教授


研究内容
 
虫歯が進行して歯の神経をとる治療をすると,どうしても歯をたくさん削らないといけません.その後また噛める状態にするために,削った部位に土台を立て,その上に被せ物をして歯の形に戻していきます.この土台を立てる方法(支台築造)は材料こそ違えど,コンセプトは昔からほとんど変わらないという状況で,土台に使用する材料が硬すぎると歯が割れてしまうし,柔らかすぎると噛む力に耐えられずに,せっかく作った土台が壊れてしまうといったジレンマを抱えていました.そこで私達は新しい材料と既存の材料を融合させて,新たな支台築造法を検討してきました.シート状に織り込んだガラスファイバーを用いて支台築造を行うと有意に歯の破折に対する抵抗を示すとともに,強い噛む力にも適応できる構造を作ることができました.
 本研究成果は2022年12月31日に「Polymers」に掲載されました。

研究者からのコメント
 DentistにはDoctor(医学), engineer(工学), Artist(芸術)という要素が必要であると言われることがあります.虫歯になって弱った歯を口の中という劣悪な環境の中で,なるべく長く使うためにはどうすればいいかは歯科医の至上命題で,それを解決するために様々な観点からのアプローチが必要となるのです.支柱となる材料の形や支柱の配置の仕方を工夫する際には,工学系の知識が必要ですし,そもそも歯の構造も理解していないといけません.歯科は歯のことだけ...ではなく,色々な分野の知識を動員して研究も臨床も行われています.興味がある方は是非一緒に研究しましょう!

論文?研究者情報
PubMed : https://www.mdpi.com/2073-4360/14/19/4073/pdf
              https://www.mdpi.com/1996-1944/14/23/7397/pdf
researchmap : https://researchmap.jp/sshhnnjjii


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