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ローヤルゼリーはC2C12細胞の分化を促進させる【 分子情報生化学分野?顎口腔機能矯正学分野 伊藤 巧 医員 】


09itou2.jpgローヤルゼリーはC2C12細胞の分化を促進させる
分子情報生化学分野?顎口腔機能矯正学分野
伊藤 巧 医員


研究内容
C2C12細胞は筋芽細胞として知られ、通常は筋肉へ分化しますが、適切な刺激を与えることで多分化能を発揮し、様々な細胞型へ分化する能力を持っています。ローヤルゼリーはC2C12細胞の筋肉への分化を促進することが知られていますが、他の細胞への分化に対する影響は十分に解明されていません。そこで本研究では、ローヤルゼリーがC2C12細胞の骨芽細胞および脂肪細胞への分化に与える影響を検討しました。
その結果、ローヤルゼリーは抗酸化作用を持つグルタチオンに関連する遺伝子の発現を増加させ、骨芽細胞および脂肪細胞への分化を促進することが示されました。これまでの研究においても、抗酸化作用が骨芽細胞や脂肪細胞の分化を制御することが報告されており、ローヤルゼリーがグルタチオンの遺伝子発現を増加させることにより、骨芽細胞分化が抗酸化メカニズムを介して促進される可能性が示唆されました。
本研究の成果は、2024年3月24日に「Molecules」誌に掲載されました。

研究者からのコメント
健康な咬み合わせを考える際には、歯そのものだけでなく、周囲の筋肉、骨、脂肪といった組織にも注目することが重要です。細胞の分化に関しては、まだ多くの未解明な部分があり、肉眼では確認できない現象を観察するのは難しいですが、だからこそ挑戦しがいがあります。もしこの分野に興味をお持ちでしたら、ぜひ一緒に研究を進めましょう。

論文?研究者情報
PubMed : https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38611729

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